HOME > PICK UP > 芸術作品を召し上がれ『珈琲社中』
住宅街にひっそりと立っている『珈琲社中』。
俺のコーヒーは芸術作品だ。俺のコーヒーと勝負できない客は客として認めない!!熱い魂を胸に宿らせるマスターは一見そうは思えないほど寡黙であり、無愛想。けれど、マスターの作るコーヒーはとても美味しい。『珈琲社中』は現代の騒音を忘れさせてくれる、昭和の香り漂う《珈琲屋さん》なのです。
マスターの信念は「嘘をつかない・ズルをしない・信念を曲げない」。 その信念のとおり、様々な農園の豆を何ヶ月もかけて吟味して淹れたコーヒーには妥協がありません。無口なマスターはそんなことおくびにも出さないけれど、それこそが彼のすごいところなのかもしれません。
10席ほどのカウンター席とテーブル席が2セット用意された店内は、重厚感が漂う落ち着いた空間になっています。コーヒーの匂いと昔ながらのコーヒーマシンの音が、とても懐かしさを感じさせてくれました。
―「社中」とはどういう意味ですか?
「《同士》という意味だよ。○○社とかあるでしょ?そういう意味でみんなが集って話し合う時に用いる一つの媒体として考えていてこの屋号にしたんだよ」
無愛想でお客さんともあまり接することがないと言っていたマスターですが、その日は饒舌に自身のこと話して下さいました。
「お店を始めて15年になるけど、今になってやっと《珈琲屋》の扉が見えてきたくらいだよ。
珈琲屋は喫茶店じゃない。飲食店とも思っていない。俺が精魂こめて作った作品をお客さんに披露してるだけ。だから、適当に飲まれると嫌なんだ。適当に飲みたいだけなら、もっと安くて早い店があるのにって思うんだよね。俺は自分がおいしいコーヒーを淹れたいから珈琲屋をやっていて、お客さんにはそれを分けてあげているだけだからね(笑)」
―なるほど。マスターにとってコーヒーは芸術であり、自分の作品なんですね。
「うん。そうだね。気に食わなかったら焙煎した豆を惜しみなく捨ててしまうしね。毎回真剣勝負しながらコーヒーを作ってるから」
―どんなコーヒーづくりをされているんですか?
「三年間熟成させた豆のことをオールドクロップ、取り立ての豆はニュークロップと言うんだけどね。オールドクロップはコーヒー本来の味が、ニュークロップは草の匂いがするんだ。ニュークロップはオールドクロップに比べて味や香りが強くて、今はこちらが主流だね。うちで使っているのもこっち。
豆の水分量が少ないと深みは出るけど炒り過ぎるとスカスカになってしまうし、豆は鮮度が大切で味や香りは常に変化してしまうから、とても気を遣っているよ」
マスターの淹れてくれたコーヒーは飲みやすく、少し酸っぱくておいしかった。カウンターの正面にはたくさんのカップが飾られていました。どれも同じものはありません。
―素敵なカップが置いてありますね。
「30年前からお気に入りを少しずつ集めてきただけなんだけどね。20万ぐらいするものもあるし、京都にわざわざ買い付けに行ったりもするよ」
―そんなにいいカップ、お客さんに出すの嫌じゃないですか?
「そりゃスプーンでガチャガチャかき回されたりすると、おい!!って思うときもあるけど、カップとしての役割を果たしてなきゃ意味がないし、形あるものはいつか壊れるものだからね。もしも割れてしまったらしょうがないと諦めるよ(笑)。いいカップは割れるといい音がするから、そうするとやっぱりいいカップだったんだなーと思うんだ。
それに、カップは作品を引き立たせる着物だからね。やっぱり俺のコーヒーをよく見せてやるために、着飾ってやらないとさ」
それだけに、こだわりを見せているカップはお客さんの雰囲気に合わせてマスターが見立てて出してくださいます。

かたくななまでに昔ながらの珈琲屋のスタンスを守り抜く『珈琲社中』。コーヒー以外にホットサンドセットや自家製スコーン、ケーキなども用意されていて、ちょっとした軽食にも最適です。いかがでしたでしょうか?コーヒーとは何か知りたい方にもお勧めのお店です。
※2008年4月28日現在の記事です。
自家焙煎豆200グラム以上お買い上げの方にコーヒー一杯無料でサービスしているそうです♪
今日は真剣に珈琲飲んでゆっくりするぞ!!という熱い人にうってつけのお店です。マスターのコーヒーとぜひ勝負してください。
